人手不足が招く物流のM&Aや売却

物流事業の人手不足が深刻化しています。これまで長い間据え置かれていた配送料も、ここに来て一気に値上げの機運が盛り上がってきました。これは、とりもなおさず、増え続ける物量に対して、人件費をねん出し人員をなんとか確保する事に各社がようやく本腰を入れ始めた証拠に他なりません。しかし、給与が上がったからといって、すぐに人手が集まる可能性は低いです。まず、業界全体として過重労働が常態化している実態は知れ渡っていますので、外部から人材が流れ込んでくることは少ないでしょう。むしろ、大手が賃上げを行う事で、給与水準の低い中小からの人材の移動が発生し、中堅以下の会社ではむしろ人手不足が深刻化する懸念すらあります。ここまで追い込まれますと、単独で事業を継続することは困難となります。

事業を集約しての規模の経営が必要です

物流業界の人手不足はますます深刻化する方向にあるといえます。この状況を打開するには、M&Aで事業規模を速やかに拡大し、経営の効率化を図ることが急務です。特に中小の会社であれば、これまでは大手からの委託などでなんとかやってきた部分も、物量の増加とそれに伴う人件費の増加には耐えられなくなっていきます。単独で事業を拡大する投資は、回収までに時間がかかり過ぎて、資金がショートしてしまう危険性があります。それよりも既存の中小の会社がM&Aによって事業を集約し、既にある経営資源を効率よく使う事のほうがはるかにリスクは少なく、合理的な選択です。M&Aを用いれば、顧客も既存で確保出来ますから新たな営業活動をしなくても、資源の効率化だけでも利益を増やすことが可能になるのです。

中小の中には、事業継続を諦める例も

中小の物流会社や物流部門をもっている他の事業会社の中には、事業を継続することを断念し、売却してしまうという選択肢を取る企業も増えてくるでしょう。これだけ人手不足が深刻化すると、もはや規模の小さな事業自体を存続することすら不可能となっていきます。その場合、事業の売却は会社本体としても雇用されている従業員としても一番よい方法となりえます。既にある人員や設備を処分することなく、他の事業会社に売却することが出来れば、雇用も継続して確保出来ますし、資産を無駄にせず、次の事業資金とすることも可能となるのです。自社部門を切り離したとしても、継続してその業務を委託するという手段も使えます。M&Aは買収する側だけでなく、売却する側にとってもメリットの大きな手法なのです。